シリアより視察の方々がいらっしゃいました

JICAの技術協力プロジェクトの一環で、シリアの首都ダマスカスより、シリアの地方自治省の局長さんやダマスカス郊外県の副知事さん、ダマスカス大学の教授など、都市計画やまちづくりがご専門の8名がグラウンドワーク三島を来訪されました。

源兵衛川における市民による環境改善活動に関するテーマを中心に、グラウンドワーク三島の小松理事の案内で実際に源兵衛川などグラウンドワーク三島の各実践地を回りました。小松理事はグラウンドワーク三島の初期より活動されているので、視察の案内は非常に手馴れたものです。国際交流にも非常に熱心なため、今回の視察対応はまさに適役と言えるでしょう。

実践地を回った後、渡辺事務局長による源兵衛川再生のプロセスを中心に、説明と質疑応答が行われました。

源兵衛川は元は美しい川でしたが、昭和30年代以降、上流での地下水の取水や市民がゴミを捨てたことによって非常に汚い川へと変貌してしまいました。

しかしその後、その現状に危機感を抱き、美しい川を取り戻したい、と思った(一部の)市民が立ち上がりました。実際にゴミを拾い、どのように環境改善を進めるか議論をし、またゴミを拾い、また議論をし、というように地道な取組を続けた結果、川がキレイになるまで、約3年という時間が必要でした。

川が少しずつキレイになるに従って、最初は一部の市民だけだった活動も広がりを見せ始めます。なぜなら、その地道な取組(ゴミ拾い)を続けて着実に(川をキレイにしたという)成果を残したことで、やればキレイになる、ということが他の市民たちにもわかったからです。

こうして、活動は広がり、多くの市民が川の再生に取り組んだことで、今まで他人の川だった源兵衛川が、自分たちの川になりました。人は、他人(自分のものではない)の庭にはゴミを捨てるかもしれませんが、自分の庭にはゴミを捨てません。他人の川から自分たちの川へと市民の意識が変わったことが、源兵衛川再生の大きな転換点の一つといえるでしょう。

シリアの方々からは、どのように市民・企業・行政・NPOがパートナーシップを組んだのか、市民の意識を変えるためにはどういうアプローチが重要か、など、活発な質問が寄せられていました。