山梨県忍野村・ホトケドジョウ保護活動視察

みなさんは「ホトケドジョウ」を知っていますか?コイ目ドジョウ科に属し、全長は40mm〜60mm。口の周りに4対の髭があります。春先(4月〜6月)に産卵します。湧水で、流れの緩やかなところ、水草や物影があるところを好んですみます。ところが、生息環境の悪化により全国的に個体数が激減しており、ホトケドジョウは、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧?B類、静岡県レッドデータブックでは絶滅危惧?A類に指定されています。

このホトケドジョウは、住民・企業・NPO・行政のパートナーシップにより清流がよみがえった源兵衛川にも生息しています。しかし、平成19年12月、源兵衛川中流部から生コンクリートが流出し、希少種ホトケドジョウをはじめとした魚類・水生生物が大量に死滅してしまいました。グラウンドワーク三島では、沼津土木事務所とともに、3年間にわたる環境モニタリング調査を実施してきました。その結果、ホトケドジョウの生息環境の改善は確認できたものの、従前の個体数までの回復は認められず、今後、ホトケドジョウの生息に適した水辺環境の再生と復活が必要とされていることが明らかとなりました。

そこで今回、インストラクター研修として、NPO法人富士おしの名水倶楽部の渡邉実理事長、天野昇市事務局長の案内のもと、山梨県忍野村ホトケドジョウ保護活動を視察しました。

ホトケドジョウは、山梨県でも、忍野村富士吉田市の一部でしか確認されていない希少種とのことです。忍野村では、NPO富士おしの名水倶楽部、忍野役場、水産技術センター、富士湧水の里水族館などによる忍野村ホトケドジョウ復活プロジェクト協議会が中心となったホトケドジョウ復活プロジェクトを企画。2008年、理事長宅の敷地内から湧出する地下水を導水して、放置水田を活用して、約100?繁殖池(ビオトープ)を造り、近くから採取したホトケドジョウと水族館で増殖中のホトケドジョウ数匹ずつを池に放しました。すると、2年後の春の観察会では、約2,000匹の幼魚が確認できたとのことです!

一見、ホトケドジョウは確認できないのですが、ザルで水際をすくうと、数多くのホトケドジョウが見つかりました。源兵衛川ではめったに見ることができないホトケドジョウがたくさん生息していることに、たいへん刺激を受けました。ご多忙の中ご案内いただいた渡邉理事長、天野市事務局長、たいへんありがとうございました!

グラウンドワーク三島では、今年度、源兵衛川のホトケドジョウ生息地再生活動に本格的に取り組みます。ホトケドジョウのすみやすい環境づくりを目指したいと思います。皆様のご協力をお願いいたします。