「鎮守の森探検隊」(6)〜発見!みんなの身近な湧水地〜

6回目の「鎮守の森探検隊」は、長泉町竹原地区にある「窪の湧水」自然観察と水質調査を行いました。

「窪の湧水」は、特種製紙株式会社所有の、約20m の崖の下から湧き出る湧水池で、昔から農業用水、工業用水として利用されてきました。周囲には、この地域のふるさとの森(照葉樹林)が残っています。

参加者は小学生とその親、三島南高校サイエンス部の芹沢教諭と生徒など、約30名でした。参加者は2つの班に分かれ、A班は自然観察の後に水質調査を、B班は逆に水質調査の後に自然観察を行いました。

水質調査は、水質の専門家である熊井 陞先生から調査の実施方法や水にまつわる話を解説してもらいました。富士山が四層構造であることや、硬水・軟水の区分、PH(ペーハー)など、難しいながら子どもたちも熱心に耳を傾けていました。

水質調査は、パックテストという簡易水質分析器を使用して行いました。子どもたちは、窪の湧水を採取し、薬品に反応させ、出たピンクや青などの色がどの標準色に最も近いか悩んでいましたが、みんなきちんと測定できたようです。測定した結果、窪の湧水は水温15.6℃、無色透明、無臭で水質は良好ということでした。


自然観察は、トンボ・アリの専門家である加須屋 真先生と窪の湧水に生息する魚や昆虫などの観察です。湧水池という閉じられた生態系のため、生きものにとっては食べるものが少なく、生きものはあまり多くはない、とのことでした。

それでも、三島南高校サイエンス部の活躍によってヨシノボリ、ウグイ、シマアメンボ、オニヤンマのやご、カワニナなどが採集され、子どもたちは熱心に観察していました。途中でアユも採集されましたが、これはどこかから放されたものではないか、ということでした。

窪の湧水のまわりはふつうの住宅街ですが、そこに突然現れるきれいな湧水池とそこに生きる魚や昆虫などを知ることで、環境の大切さについて楽しく学ぶことのできた貴重な体験となりました。(直)