源兵衛川水辺自然観察会

 午後からは「源兵衛川水辺観察会」(助成:きれいな川と暮らそう基金)を開催し、市内や県外の親子など、総勢50人が参加しました。

 はじめに、事務局長の渡辺豊博から、源兵衛川の環境悪化と水辺再生の取り組みについて説明いただきました。「源兵衛川生き物観察ガイド」や写真を使いながら、理解を深めました。

 続けて、源兵衛川第3ゾーンの三石神社を第5ゾーンの水の苑緑地に向けて出発しました。今年は湧水量がたいへん多く、「水の都・三島」を存分に体験できます。

 水の苑緑地では、滝道雄先生(日本野鳥の会東富士支部支部長)の指導の下、源兵衛川にすむ野鳥について解説いただきながら、カルガモヒヨドリカワセミを観察しました。また、カワセミのペリット(消化できずに吐き出した吐出物)を見ながら、源兵衛川にすむ魚を餌にしていることなどを学習しました。

 その後、第4ゾーン下流の三島メディカルセンター脇に移動し、水生生物の観察を行いました。加須屋真先生(富士常葉大学非常勤講師)の指導のもと、たも網を持って川に入り、生き物探しがスタート!カワニナやヒゲナガカワトビケラ、オニヤンマなどのヤゴなどの水生昆虫をはじめ、アブラハヤやタモロコ、ドジョウのほか、静岡県レッドデータブック絶滅危惧ⅠA類のホトケドジョウの稚魚などを見つけることができました。

 参加者は、加須屋先生の説明を聞きながら、源兵衛川の水辺環境と生き物との関係や特性について理解を深めるとともに、観察が終わった生き物を川に返しました。

 源兵衛川に、このような多様な生き物が生息できるのは、住民・市民・NPO・行政のパートナーシップによって環境改善が進められ、豊かな生息環境が維持されてきたからにほかなりません。しかしながら、平成19年12月、源兵衛川中流部の三石神社沿いから下流約500mにおいて、生コンクリートの流出事故が起こり、多くの魚類や水生動物が死滅してしまいました。事故後の生態系調査では、ホトケドジョウが大きなダメージを受けたことが明らかとなりました。

 今年度、グラウンドワーク三島では、ホトケドジョウの繁殖に適した生息環境の再生創出による源兵衛川の生物多様性の確保を目指した諸活動に取り組んでいます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。